はじめに(これまでの活動など)

 

京都産業大学卒業後、筑波大学大学院へ進学しました。当初の目標は「バスケットボールのコーチになる」でした。しかし、ある出会いを境に「運動によって体内ではどのような変化が起こっているのか」といった疑問を抱きました。そこで、マウスなどの実験動物を対象として、分子生物学的手法を用いた基礎研究に取り組んできました。

 近年、大きな話題となったiPS細胞等、研究は華やかなイメージを持たれると思います。しかし、それは全くの勘違いです。研究所では1年間、秘書室にゴザを敷き、寝袋生活をしました。大学院ではxxxx匹程度のマウスを管理し、昼夜問わず実験を行いました(Ex加齢による骨格筋の機能低下について)

 一方、この間もバスケットの指導勉強会など100回を超えるセミナーに参加し、同大学の医学部バスケット部のコーチをしていました。医学部バスケット部は、大学に入って初めてバスケットをする初心者から全国大会経験者まで様々な選手がおり、指導の勉強をする上でとても有意義な時間を過ごさせていただきました。

 これらの体験から、「研究は必ず成果が出るというものではなく、ある程度の成果が出るには年単位の時間が必要である。それ故、何か自分が好きなことを持ち、気分転換をしながらも地道に研究をしていくことができる『自分にあった環境』を作ることもまた大切である」ということを学びました。本学の学生には大学内に留まらず、色々な方と巡り会い、様々な経験をしていってほしいと思います。

 

教育・研究の方針

学生の皆さんに、私が現在取り組んでいる研究を手伝ってもらうといったことは基本的にありません。学生が健康やスポーツに関連することで興味があること、問題になっていることなど、自らの力で抽出し、それについて研究を行ってもらいます。

自らが選択したテーマのもと、社会に出たときに役立つと考えられる以下の3つの能力を磨くことに取り組みます。

 

1.  課題の選択

(過去に学ぶ・課題/仮説を立てる・方法を探り、課題を検証する)

 課題というと大学入試のようにあらかじめ設定されており、それをいかに早く解くかということを思い浮かべるかもしれません。しかし、実社会(就職後)においては、課題は自分で探し出し答えを出していかなくてはなりません。まず、課題に関する先行研究の調査を重視し「なぜその課題に取り組む必要があるのかという『意義』を明確にする必要があります」。単に前例がないから課題として取り上げるという理由は、課題設定を行う上で不十分であると考えます。研究活動を通して、その力を高めていきます。

 

2.  コミュニケーション力を高める

(プレゼン力・質疑応答力・文書力、及び最低限のマナーを養う)

  どんなに素晴らしい課題を設定し、新たな事実を明らかにできたとしても、それを他の人に伝えることができなくては全く意味がありません。知識量はすごい、ただ伝える力を持たない、というのでは単なるオタクで終わってしまいます。知識に加えて、社交性、人に伝える能力にも磨きをかけましょう。こういった能力を磨く手段の一つとして、私のゼミでは外部の企業と連携してスポーツ教室を行うことやゲストを招いてスポーツ研究会を開くといったように積極的に学外の人と触れ合う機会を作ります。

 

3. 勇気とチャレンジ(実行力・精神力・忍耐力を養う)

  世の中で、本当に希望する職に就ける人は何%いるでしょう?恐らく1%以下です。では、何によって違いがでるのでしょうか?それは、「勇気とチャレンジ」、これが全てだと思います。誰かが自分の就職先を紹介してくれることなども中にはあるでしょう。ただ、そんな選択の仕方で自分の将来を決めて良いのでしょうか?

まず、大学生活の中で「将来生きて行きたい世界」を見つけましょう。そして、「なりたい自分になるべく努力をする」。そういったことが経験できれば有意義な学生生活を過ごすことができるのではないでしょうか。